これまで、トレードと心についていくつかコラムを書いてきました。今回は、もう少し根っこの話をしてみます。テーマは、「そもそも、何のためにFXに取り組んでいるのか」です。
お金のため。もちろんそうです。でも、私の中ではもう一段、その先がある。今日はその、私なりの「目的」の話を書いてみます。だいぶ個人的な世界観の話になるので、「こんなことを考えてる変なトレーダーもいるんだな」くらいの気持ちで読んでください。
お金持ちになれば、本当に幸せ?
FXに取り組む理由を突き詰めると、たいていは「お金が欲しいから」に行き着きます。私もそうです。でも、ここで少し立ち止まって考えたいことがあります。
お金持ちになれば、本当に幸せなんだろうか?
正直なところ、私は「お金持ちになるだけでは、たぶん幸せにはなれない」と感じています。そして、これはきっと多くの人が、心のどこかで薄々感づいていることなんじゃないかと思うんです。お金は大事。でも、それだけじゃ満たされない何かがある。前回のコラムで書いた「幸せ=得たもの÷煩悩」の話とも、つながってきます。
『奇跡の脳』が教えてくれたこと
私が幸せについて考えるきっかけになった本があります。脳科学者ジル・ボルト・テイラーさんの『奇跡の脳』です。
この本、すごいんです。著者のテイラーさんは脳科学者なのですが、あるとき脳卒中を起こして、左脳の機能を一時的に失うという経験をします。そして、左脳の働きが止まって右脳が優位になった状態を、当事者として味わうことになるんですね。
驚くのはここからです。脳卒中で体の自由がきかない、ふつうに考えたら大変な状況のはずなのに、右脳にシフトしたその状態を、テイラーさんは「とても幸せだった」と振り返っているのです。
これを読んだとき、私はハッとしました。体が不自由で、財産がどうとか人間関係がどうとか関係ない状況でも、人は幸せを感じられる。ということは——人間の幸福感の本質って、財産や人間関係や周りの環境とは、実はあまり関係ないんじゃないか。むしろ、脳の状態、つまり右脳が優位になるほど、人は幸せを感じるんじゃないか。これが、私なりに行き着いた結論です。
右脳にシフトする、具体的な方法
では、どうやって右脳優位の状態に近づくのか。
私が有効だと思っているのが、仏教由来のマインドフルネスやヴィパッサナー瞑想です。これまでのコラムでも仏教の話をしてきましたが、瞑想はまさに、思考でぐるぐるする左脳的な状態から離れて、「今ここ」を感じる状態へ近づいていく訓練だと、私は捉えています。
最近では、こうした「右脳シフト」の具体的なやり方を、分かりやすく説いてくれる本も出てきました。たとえばネドじゅんさんの『左脳さん、右脳さん。』などは、現代人が実践しやすい形で右脳シフトの方法を紹介してくれています。興味がある人は、こういった本を入り口にしてみるのもいいと思います。
もちろん、これは「やれば必ず幸せになれる」という保証の話ではありません。あくまで、私自身が「こっちの方向に幸せの本質がありそうだ」と感じて、実践しているという話です。
でも、現代は「お金が要る」システムの中にある
とはいえ、です。
いくら「幸せの本質はお金じゃない」と言ったところで、現代は資本主義の世の中。生きていくにはお金が必要で、私たちはみんな、その「お金が要る」というシステムの中に、半ば閉じ込められているようなものです。きれいごとだけでは、ご飯は食べられません。
このあたりは、私の個人的な実感として書きますが——どうも最近は、生きるのがだんだん大変になっているように感じます。あれこれと負担は増えていく感覚があるし、何よりみんな、忙しすぎる。働きすぎて、自由な時間が本当に少ない。外で頑張って働くモチベーションを保つのも、なかなか難しい時代になってきたなあ、と感じています。
このへんは人によって感じ方が違うと思うので、あくまで「私はそう感じている」という一個人の感想として受け取ってください。
だから私は、FXを「庶民が幸せに近づくための道具」だと思っている
そういう時代だからこそ、私はFXという存在を、わりと前向きに捉えています。
FXは、庶民が幸せに近づくための、良い道具のひとつになりうるんじゃないか、と。もちろん、リスクのある世界です。簡単に儲かる魔法ではありません。それでも、自分の時間と場所を選ばずに取り組める手段がある、というのは、今の時代において小さくない意味を持つと思うんです。
ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。FXでお金を得た先にあるのは、あくまで「経済的な成功」であって、それ自体が「本当の幸せ」ではない、ということです。さっきの『奇跡の脳』の話とつなげれば、お金そのものは幸せの本質じゃない。ここは、私の中でハッキリさせています。
私がFXで本当に得たいのは「時間」
では、お金の先に私が求めているものは何か。
それは、時間です。
お金に少し余裕ができれば、時間に余裕が生まれます。あくせく働き続けなくてもよくなれば、自由な時間が増える。そして、その時間を私は何に使いたいか——右脳にシフトするための訓練の時間にしたいんです。瞑想したり、「今ここ」を味わったり、本当の幸せの本質に近づくための練習をする。その時間こそが、私がFXを通じて本当に手に入れたいものです。
お金を稼ぐこと自体が目的じゃない。お金で時間を買って、その時間で幸せに近づく。私にとってFXは、その入り口なんです。
お金の、その先へ
これは完全に私個人の目的であり、モチベーションの話です。みんながこうあるべきだ、なんて言うつもりは、まったくありません。
でも、ひとつだけ思うことがあります。FXに取り組んで、もしお金を得られたとしても、たぶん多くの人は、いつか「その先に何があるんだろう」と考えるようになるんじゃないか、と。お金は手段であって、ゴールじゃない。そのことに、後々みんな気づいていくんじゃないかな、と私は想像しています。
だからもし、あなたが今FXに取り組んでいるなら、ときどきでいいので考えてみてください。「自分は、お金を得た先に、何を求めているんだろう?」と。その問いを持っているかどうかで、トレードとの向き合い方も、きっと変わってくると思いますよ。
……今日はずいぶん壮大で、ふわっとした話になりました。でも、これが私がFXを続けている、いちばん根っこにある理由です。読んでくれて、ありがとうございました。
※本記事は情報提供および筆者の個人的な考えを述べたものであり、特定の宗教・思想・書籍の内容や、特定の投資手法を推奨するものではありません。また、特定の勝率や利益を保証するものではありません。FX取引には元本を失うリスクがあります。取引は必ずご自身の判断と責任において行ってください。

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