値が動く理由 ― 「みんなが買うから上がる」を、もう少し分解してみる
「値段はなぜ動くのか」と聞かれたら、答えはシンプルです。みんなが買うから上がる。みんなが売るから下がる。注文が一方に偏るから、トレンドが生まれる。
今日は、この当たり前のようなことを、もう少し分解して考えてみようと思います。
市場参加者は3種類しかいない
私は、相場に参加している人を、ざっくり3種類に分けて考えています。
- すでに買っている人
- すでに売っている人
- ポジションを持たず、チャンスを待っている人
この3種類の人たちが、それぞれどう動くかによって、注文の偏り=トレンドの向きが決まっていく、というのが私のイメージです。
上昇局面で起きていること
相場が上昇しているとき、この3種類の人たちには、それぞれこんな変化が起きていると私は考えています。
- すでに買っている人は、含み益が乗ってくるので「もっと買い増ししたい」という場面を探し始める
- 売っている人は、含み損が膨らんでいくチャートを見て、次第に「もう無理だ」と諦めて手仕舞う(=買い戻す)場面が出てくる
- 待っていた人は、上がっていくチャートを見て「どこかで自分も買いたい」というタイミングを探し始める
買い増ししたい人、諦めて買い戻す人、新規に買いたい人。上昇局面では、この3者の買い注文が重なるタイミングが生まれます。下降局面では、これがそっくりそのまま逆になります。
その「場面」は、いつ生まれるのか
ここで私が一番大事だと思っているのは、この3者が同時に動きたくなる「場面」が、実はいつでも起きているわけではない、ということです。
私は、この場面が最も濃く生まれるのは、トレンド転換直後の「初押し」「初戻し」だと考えています。
上昇トレンドに転換した直後、最初に訪れる小さな下げ(初押し)を例に考えてみます。
- すでに買っている人にとっては、思惑とおりのトレンド転換後、初めて訪れる「もう一度買い増しできるかもしれない」押し目
- まだ売りポジションを引きずっていた人にとっては、戻りかけた値動きが再び下がらなかったことで、「やっぱりダメか」と諦めがつきやすいタイミング、多少、損失が少なくなった場面でもある
- 待っていた人にとっては、転換を確認したうえで、初めて「ここなら」とエントリーチャンスの押し目
下降トレンドへの転換直後の「初戻し」でも、向きが逆になるだけで、同じことが起きていると私は考えています。
なぜ「初」なのか
押し目・戻り目は、トレンドが続く限り何度も訪れます。ですが私は、2回目以降の押し目・戻り目よりも、転換直後の「最初の」押し目・戻り目のほうが、3者の思惑が重なりやすいと考えています。
理由は単純で、トレンドが転換してから時間が経つほど、「まだ諦めていない逆方向のポジション」も「まだ様子見のままの参加者」も、少しずつ減っていくからです。転換直後は、まだ多くの人がポジションを整理しきれていない、あるいは様子見を続けている状態なので、そこで訪れる最初の押し・戻りに、買いたい人・諦める人・待っていた人の動きが一番濃く重なりやすい、というのが私の考えです。
まとめ
値動きは、結局のところ「誰が、どんな理由で、どちら向きの注文を出したか」の積み重ねです。買い増ししたい人、諦めて手仕舞う人、待っていた人。この3者の思惑が最も重なりやすいのが、トレンド転換直後の初押し・初戻しだと、私は捉えています。もしも、戻しも押しも無く行ってしまったら?泣くしかない(笑)無いなら泣く。ダジャレでしたが、押し戻しを待つというルールを採用したのならその動きにならなかった時はスルーしないと。即ち持戒。
チャートのローソク足そのものだけでなく、「今、参加者たちは何を考えていそうか」という視点を持つと、同じチャートでも少し違って見えてくるかもしれません。
※本記事は、値動きの背景にある市場参加者の心理について、私個人の考え方を紹介したものであり、特定の売買手法や必勝法を示すものではありません。相場の値動きには様々な要因が絡み合っており、実際のトレードにおいては、ご自身の判断と自己責任のもとで検証・活用いただきますようお願いいたします。


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