「傾いているから トレンド」とは限らない
チャート上にチャネルラインを引いてみると、ローソク足がきれいに2本の平行線の間に収まっていることがあります。

一見すると、チャネル全体が右肩下がりに傾いているので「トレンドが出ている」ように見えます。ですが私は、この下降状態は「トレードしにくい」と感じます。
傾いたチャネル=広い意味でのレンジ
ローソク足がチャネルの上下ラインの間で反復横跳びのように往復している間は、方向性はあっても、値動きそのものは「行って戻って」を繰り返しているわけです。チャレンジする隙間は初期だけ。あとは大きく戻した場面から日足を見て検討する、とか?でも大きく戻してるしモヤモヤ。嫌な動きになったら、私はこれを、傾きのあるレンジだと捉えます。
上のチャートでも、12月後半から1月中旬にかけて、ローソク足がずっと下降チャネルの中で上下を繰り返しながら少しずつ下げているのが分かります。方向自体は下向きでも、チャネルの中にいる間はエントリーしてもすぐ反対側のラインに跳ね返される、ということが起こりやすい状態です。
私の感覚では、こういう場面は「トレンドに見えて、実際にはトレードしにくい局面」です。傾きに釣られてポジションを持つと、含み損を抱えたままチャネルの反対側まで押し戻される、ということが起こりがちだと感じています。
チャネルの幅が、そのままリスクリワードの幅になる
ローソク足自体がチャネルに挟まれている状態は、私の中では「利確の目安になる値幅そのものが狭い」状態でもあります。チャネルの上下ラインの間隔が狭ければ、想定できる利確幅もその範囲に収まりますし、その狭い箱の中で乱高下している分、値動きに振り回されやすく、リスクの高さの割に得られるものが小さい、という印象を持っています。
一方で、チャネルが一段広く引き直せるようになると、話が変わってきます。値幅そのものが広がっている分、利確の目安として見込める距離も伸びますし、同じリスクを取るにしても、見込めるリターンとのバランス(リスクリワード)が改善しやすくなる、と私は考えています。
私が考える「動き出し」のサイン=チャネルブレイク
では、いつなら考えやすくなるのか。私は「チャネルをブレイクした後」だと考えています。
チャネルの中にいるということは、値動きの幅(ボラティリティ)がそのチャネルの範囲内に収まっている、ということでもあります。逆に言えば、ローソク足がチャネルの外に抜け出した瞬間は、それまでの値幅では収まりきらない動きが出た、つまりボラティリティが拡大したタイミングだと私は捉えています。
上のチャートでも、1月16日以降、下降チャネルを上抜けてから値動きが大きくなり、そこから新しい上昇のチャネルが形成されているのが見て取れます。チャネルブレイク後に、一段大きな値幅の中で新しいチャネルが引き直せるようになった、という流れです。つまり、ブレイク後、一旦押した位置からチャネルを引くと、一段広いチャネルになる、ということです。
レンジもボラティリティ拡大も、しばらく続く
私の経験上、レンジ(狭いチャネルの中で往復している状態)は、一度始まるとしばらく続く傾向があると感じています。同じように、チャネルをブレイクしてボラティリティが拡大した後も、その拡大した状態はしばらく持続することが多いように思います。
この「しばらく続く」という性質自体が、ある意味での傾向=トレンドなのではないか、と私は考えています。値動きの方向というより、値動きの状態(狭いレンジなのか、拡大したボラティリティなのか)が持続すること自体を、傾向として捉えている、というイメージです。
新しいチャネルの中で、あらためて考える
ボラティリティが拡大した状態がしばらく続くと考えるなら、ブレイク後に引き直せる、一段大きなチャネルこそが、次に検討する土俵になります。ブレイク前の小さなチャネルの中では値幅も利確目安も狭かった分、ブレイク後に広がった値幅の中でなら、リスクリワードも含めてもう少し腰を据えて考えられる、という感覚です。
まとめると、私はこんな順序でチャネルを見ています。
- チャネルの中にローソク足が収まっている間は、傾きがあってもレンジ的な動きとして警戒する
- 狭いチャネルの中は利確目安も狭く、リスクの割にリターンが見込みにくいと捉える
- チャネルをブレイクするまでは、積極的に動く場面ではないと考える
- ブレイク=ボラティリティ拡大のサインとして捉える
- ブレイク後に引き直せる、一段大きなチャネルを新たな基準にする(利確目安・リスクリワードともに改善しやすい)
- レンジもボラティリティ拡大も、それぞれしばらく続く傾向があると意識しておく
チャネルラインは、方向を示す道具であると同時に、「今がレンジなのか、動き出しなのか」、そして「リスクリワードが見込みやすい局面かどうか」を判断する物差しとしても使えるのではないか、と私は考えています。
※本記事は、チャネルラインの見方に関する私個人の考え方を紹介したものであり、特定の売買手法や必勝法を示すものではありません。相場の値動きには個人差のある解釈が伴いますので、実際のトレードにおいては、ご自身の判断と自己責任のもとで検証・活用いただきますようお願いいたします。


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